生き返る

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何度もアップしてきたお馴染みのSME3012

ついにというか、とうとう、
40年も使ってきたアナログのターンテーブルに
電源の入らない日が来た。
形のある物もいつかは滅びる。

これほどまでの長い期間、使い続けてこれたのが
そもそも僥倖だったのかもしれない。

とはいえ、残された2本のSMEのアームまで
不用として処分するのも、その入手の経緯を考えれば切ない。

ターンテーブルに2本のSMEのアームが載った姿は
いつまでもそばに置いておきたいほどきれいなフォルムをしている。
もちろん今さら修理はきかないし、
動態保存は諦めても、ダメ元でと、
とりあえず回路を覆った蓋を開けて内部を確認してみた。

電源スイッチから引き回されたところに小さなヒューズがあって、
取り外して確認すると、溶断ではないが断線しているようにみえる。
ただの断線なら長い年月のための経年劣化かもしれない。

これなら行けるかも......

そのサイズと容量をネットで検索すると
いまでも容易に入手できるので、
即ポチって、取り付けてみた。

電源ランプが点灯しない......

やはり電源回路がもうダメなのか。

通電してテスターで電流を診ても、突入電流は多いものの
異常な数値ではないし、第一どこかでダイオードやコンデンサが
焦げるような匂いもしない。

いったん蓋を閉じ電源を入れ、
パイロットランプは点かないが、
祈るように、そのSTARTと書かれたボタンを押してみた。

...... 静かにターンテーブルは回り出した

これなら行けるではないか。
点かないパイロットランプは物さえあれば
半田を融かして新しい物に交換すればすむ話だ。

命拾いをしたかもしれない。

気に入ったターンテーブルを買おうとしたら、
いまや軽自動車一台買えるぐらいのぼったくりのオーディオ沼だ。
これですむなら、新しいレンズも買えるというものだ。

ほっとして、早速デイビスの 「SO WHAT」 に針を降ろす。

いつまで続くか解らない幸せな1日に感謝した。


home, Osaka (Oct. 2018)

SONY α7RIII ILCE-7RM3, MINOLTA AF MACRO 100mm f2.8